店舗・テナントの退去、内装解体(スケルトン戻し)で失敗しないために
「テナントを退去することになったが、契約書に『スケルトン戻し』と書いてある。何をどこまで解体すればいいのか分からない」——店舗やオフィスの退去にともなう内装解体は、住宅の解体とは異なるルールや注意点があります。今回は、その基本を解説します。
「スケルトン戻し」とは
スケルトン戻しとは、テナントが入居時に施した内装・設備をすべて撤去し、建物の構造躯体(コンクリート・鉄骨がむき出しの状態)まで戻すことを指します。多くの賃貸借契約書には「退去時は原状回復義務を負う」「スケルトン状態で返還する」といった条項が定められており、この条件を満たさないまま退去すると、貸主とのトラブルや追加費用の請求につながることがあります。
原状回復の範囲を契約書で確認する
原状回復の範囲は、物件や契約内容によって異なります。トラブルを避けるためには、契約締結時、あるいは退去が決まった時点で、次の点を必ず確認しておく必要があります。
- 「スケルトン戻し」なのか「入居時の状態への回復」なのか
- 天井・床・壁の仕上げ材はどこまで撤去するのか
- 空調設備、電気配線、給排水設備の撤去範囲
- 看板・サイン類の撤去義務の有無
- 原状回復の実施業者を貸主指定にする必要があるか
とくに、入居時にすでに古い内装が残っていた場合、その部分まで自分の負担で解体する義務があるのか、貸主・管理会社と事前にすり合わせておくことが重要です。
店舗解体で特有の注意点
店舗やオフィスの内装解体には、住宅の解体とは異なる特有のポイントがあります。
1. 営業中の他テナントへの配慮
商業ビルやテナントビルの一部を解体する場合、隣接する他店舗が営業を続けていることが多く、騒音・振動・臭いへの配慮がより厳しく求められます。作業時間帯を営業時間外に限定するなど、ビル管理会社との調整が欠かせません。
2. 厨房設備・ダクトの撤去
飲食店の場合、厨房機器やダクト、グリストラップ(油脂分離阻集器)など、特殊な設備の撤去が必要になります。専門知識が必要な工程が多く、対応可能な業者かどうかを事前に確認しておきましょう。
3. 産業廃棄物としての適正処理
内装材や設備は、木くず、金属くず、廃プラスチックなど、種類ごとに産業廃棄物として適正に分別・処理する必要があります。マニフェスト(管理票)を発行・運用している業者を選ぶことが、不法投棄などのリスクを避けるうえで重要です。
スケジュールに余裕を持つことが大切
店舗の退去では、賃貸借契約に「退去日までに原状回復を完了させる」という期限が定められていることが一般的です。解体業者の手配や、ビル管理会社との調整に時間がかかることも多いため、退去が決まった時点で、できるだけ早く解体業者への相談を始めることをおすすめします。
まとめ
店舗・テナントの退去にともなうスケルトン戻しは、契約内容の確認、他テナントへの配慮、特殊設備の撤去など、住宅の解体とは異なる注意点が数多くあります。契約書の原状回復条項を早めに確認し、余裕を持ったスケジュールで解体業者に相談することが、トラブルのない退去につながります。
株式会社あおぞらでは、店舗・テナントの内装解体(スケルトン戻し)にも対応しております。契約内容の確認段階からご相談いただけますので、お気軽にお問い合わせください。
